「店子と大家は…」

お部屋を貸す賃貸人(オーナー様)と借りる賃借人(いわゆる入居者様)立場が逆ですのでなかなか考えが合いません。当たり前といえば当たり前なのですが、困ることが多いです。

記事の内容とは関係ありません


昔からのオーナー様の中には私たち不動産会社が聞いても「…!?」のような考えが当然だのように主張される方もいらっしゃいます。
また逆に借りられる方で「ホテルじゃないんだから…。」と言いたくなるようなことを言ってこられる方もいらっしゃいます。

私が子供のころ、大家さんがすぐ近く(大家さんの家の敷地内に貸家があったこともあります)に住んでいて、よく挨拶したり、大家さんの家の庭で遊んだり、お菓子もらったりのような記憶があります。
昔は、あまりこじれたりしなかったのは、雨漏りとか当たり前(だったと記憶してますが違うかも)、いろいろ故障とかあってもあまり気にしないような時代だったからのではないでしょうか。

それこそ、昔は「店子と大家は家族のようなものだ」みたいな義理人情的なものがあったり、「借りてもらっている」「貸してもらっている」とお互いに尊重している時代もありましたが、今はほとんどそのような感覚はなくなってしまってるのでないでしょうか。
悲しいですがビジネスライクになってしまっています。

今はオーナー様を含め、入居者が「お客様」的に思っているかたが一番多いのでないでしょうか、入居者の方から苦情をいただいたときに「こっちはお金払っているんだから」とか「俺は客だぞ」と言われる方がいらっしゃいます、きっと自分の考えに正直な方なんですよね。でもちょっと…。

本来、賃貸人と賃借人は対等なはずなのですが、旧借地借家法では、(かなり昔にできた法律なので)ご主人が兵役で家にいないので住んでいる奥さんと子供だけでは、対等に交渉できず、家を追い出されたいしないように保護しなければいけない、ということで賃借人の権利を強くして保護するようにしていた、だから入居者の立場のほうが強くなっていると宅建の試験を受ける時に講義で聞いた記憶があります。昔はそうだったかもしれませんが、今はもうそうではありませんね。
今回民法の改正がありましたが、今の時代にはもうあっていないところが多くなってしまっていたのでしょう。

ただ、何かあったときは現実的には法律でどうこうというよりも、人間は感情がありますし、皆さん自分の立場で主張されますので、どこかで妥協点を探すしかありません。
その場合、最低どちらかが、相手の立場に立っていただけるとなんとか話がまとまるのですが、お互いが「貸してやっている」「借りてやっている」という関係の場合が最も揉めます。
法律は新しくなりましたが、気持ちは昔に戻ってお互いに尊重いていただけるとオーナー様も入居者様も気持ちよくご契約を続けていけるのではないでしょうか。
管理会社としては切にそう願っております。

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